新たに動物のサーカスを立ち上げようとしてる人がいた。
多種多様な動物が集められて、芸を仕込もうと一流の調教師が呼ばれた。
その調教師は一匹づつ、時間を取って関わっていった。
雇い主はイライラしてもっと効率の良い芸の仕込み方を注文した。
すると調教師は
「動物はそれぞれの都合で動きます。他の人間が力で押さえつけて働こうとさせても、表向きだけ服従するだけです。」
「どうやって色んな動物たちに心から働いてもらうのか。それはそれぞれの言葉で語り掛ける事です。象なら象の言葉、蟻なら蟻の言葉で語り掛けないと彼らは働きません。信頼感無くして彼らに働いてもらうことはできないのです」
雇い主はそんな生ぬるいやり方で動物が働くわけはないと彼を解雇し、力で服従させるタイプの調教師を呼んで、徹底的に力で教えていった。
異例の速さでそのサーカスは立ち上がり、公演を始めた。
しかし、動物が裏で反抗したり、原因不明の病気で死んでいった。
かえってコストは高くついた。