株式会社悪魔社は、古来より人間の魂を集める仕事をしてきました。
しかし最近アジア地域の人権意識の高まりとともに、アジア地域での成績が振るわなくなって困っていた。
そこで魂回収の成績を上げようと、悪魔コンサルタントを雇おうと会議で決まり、凄腕タマシイ回収コンサルタントが呼ばれた。
「最近のアジア地域は人権意識の高まりとともに、脅しても簡単に魂を売り渡す人間が少なくなった。」
「わが社も仕事の進め方を見直す時期かと言うことで、あなたに来て頂きました。」
「これからのニュースタンダードな仕事の進め方を是非教えて下さい。」
凄腕コンサルタントは灰色の頬を撫でながら答えた。
「よろしい。吾輩がアジア地域での魂を集める適切な方法を教えよう。」
「吾輩は何といっても日本で10億年のキャリアがあるからな。」
「脅したり単純な取引では、この地域ではもう通用しない。」
「これからは計画的に分業して魂を集める時代だ」
「まずタ-ゲットとしてはこれから親になる家庭だ。そこにはいり入り込み、親のリサーチを行う。」
「その親が子供に甘ければ、過度に甘くさせるように仕向ける。」
「決して躾けようなどと考えさせてはいけない。」
「逆に厳しく当たる親なら、過度に体罰を与えるように仕向ける。」
「子供の自尊心を奪うためだ。」
「目的は社会性を無くすことだ。人間として他の人間と交われなくさせれば、その人間は死んだも同然だ。」
「他の人間と交われないようにすることで、その人の魂はいつでも持ち去ることができる。」
アジア支部長は深くうなずき、部下に分業の指示を出した。